経営改善計画策定支援事業
中小企業の皆さまの経営改善を促進します。
〒754-0041
山口市小郡令和1丁目1番1号 山口市産業交流拠点施設 2F
事業の目的
センター事業の目的
『認定支援機関による経営改善計画策定支援事業(センター事業)』は、平成25年3月に期限が到来した「中小企業金融円滑化法」に対して講じられた総合的な施策の中で、以下の背景と目的で発足しました。
借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えている中小企業・小規模事業者の多くは、自ら経営改善計画等を策定することが難しい状況にあります。
こうした事業者を対象として、認定支援機関である外部専門家が事業者などの依頼を受けて経営改善計画策定支援を行うことにより、中小企業や個人事業主を含む小規模事業者の経営改善を促進することを目的としています。
根拠となる法律
平成24年6月に制定された「中小企業経営力強化支援法」で「経営革新等支援機関(認定支援機関)」の登録を促進し、中小企業が抱える経営課題の解決を支援する外部専門家の多様化・活性化を図りました。
センター事業の運営は、平成11年に制定された「産活法:産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」に基づき商工会議所または県の外郭団体が担っています。
平成26年1月20日に施行された「産業競争力強化法」が上記「産活法」から切り替わり、今後は当法案を根拠に運営されます。
事業の流れ
センター事業のながれ
認定支援機関による経営改善計画策定支援事業(センター事業)は、次の4ステップがあります。
- 利用申請
- 計画策定支援・合意形成
- 支払申請及び支払決定
- モニタリング
詳細は業務フロー図をご覧ください。
各業務フロー
0. 事前申請
「1. 利用申請」を行う前に、事前申請の利用を推奨しています。
「利用申請書(別紙1)」に訂正箇所がある場合、訂正印押印のため書類を差し戻す必要が生じるからです。
特に、金額の訂正には、申請者(事業者)・代表認定支援機関(通常:外部専門家)・その他の認定支援機関(通常:メインバンク)三者の訂正印が必要となり、正式な受理が遅延する恐れが生じます。
事前申請利用の際には、下記の書類(下書きで充分です)の提出をお願いします。
- 「別紙1」 利用申請書(押印していないもの)
- 「別紙1-1」 申請者の概要
- 「別紙1-3」 業務別見積明細
- (自由書式) 見積書及び単価表
(御社既定の書式で結構です。但し、備考欄などに単価を明記願います。)
送付先は以下の通りです。
利用し易い方法を選択願います。但し、情報管理の徹底をお願いします。
FAX083-902-5653
(山口県経営改善支援センター専用番号)
1. 利用申請
- 経営改善計画策定に着手する前に必ず利用申請をする必要があります。
- 利用申請を受理する前の作業に関しては、当センター事業の費用支援の対象となりません。
- 利用申請を正式に受理した後、一週間程度で「利用申請受理の通知」を送付します。
- 作業開始可能日は、上記「利用申請受理の通知」に記載された日付か、「承諾書」に記入した年月日の遅い日が適用されます。
2. 計画策定支援・合意形成
- 「利用申請受理の通知」 に記載された日付・「承諾書」に記入した日付より以降に、経営改善計画策定支援に着手できます。
- 計画策定後にバンクミーティングなどを開催し、各機関に「同意書」の発出を依頼します。
※ 対象機関-取引のある全ての金融機関と山口県信用保証協会(協会保証がある場合)が該当します。
3. 支払申請及び支払決定
- 申請者(事業者)の本人負担分を受領した後、支払請求手続きに入ります。
- 支払申請を正式に受理した後、一週間程度で「計画策定費用支払通知書」を送付します。
- 支払は概ね一か月後に、外部専門家に直接振込みます。
4. モニタリング
- 「1.利用申請」時に予定した日程でモニタリングを実施します。(原則3年間)申請者(事業者)の業績の状況に応じて、モニタリングの開催間隔を変更することができます。但し、メインバンクなどの同意が必要となります。
- モニタリングの費用請求は、都度あるいはまとめて申請することが可能ですが、「モニタリング報告書(別紙3-1)」は実施した都度作成あるいは加筆する必要があります。
支援対象事業者
センター事業が想定する支援対象事業者
本事業が対象とする事業者は、以下の中小企業・個人事業主を含む小規模事業者を想定しています。
-
中小企業金融円滑化法施行時にリスケジュールなどの金融支援を受けていた事業者
-
事業承継を予定しており、その準備として借入金を整理したい事業者
-
経営基盤を強化し、金融機関と良好な関係を築くことを優先課題と考える事業者
-
事業を安定して継続するために、外部専門家の意見を聴き活用したいと考える事業者
以上、厳しい環境下でも前向きに事業に取組む
事業者を応援するための事業です。
山口県経営改善支援センターに申請できる事業者
山口県に登記上の本店もしくは主な活動拠点がある中小企業・個人事業主を含む小規模事業者です。
対象外となる事業者(全国共通)
以下に該当する事業者は申請することができません。
-
大企業の子会社
-
風俗営業など
-
従業員300名超の医療法人
-
社会福祉法人
-
学校法人
-
第一次産業のうち事業性のないもの
農業法人や青色申告の個人事業主は申請できます。
※但し、「農事組合法人」は申請できません。 -
第3セクター
申請対象となる場合もあります。事前に問い合わせ願います。
-
LLP(有限責任事業組合)
※協同組合・商店街振興組合などは申請できる場合があります。
・協同組合のうち「農業協同組合」「森林組合」「漁業協同組合」は申請できません。 -
特定非営利活動法人(NPO法人)
-
一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人
-
認定支援機関が以下の事項に該当する事業者
・議決権を20%以上の比率で保有(間接保有も含む)している場合。
-
金融支援あるいは費用支出を伴わない経営改善計画を策定する場合。
費用の目安
対象外となる事業者(全国共通)
申請者である事業者の規模(年商・有利子負債)に応じて、以下の通り費用総額(消費税を含む)の上限が原則定められています。
区分 | 事業規模 | 費用総額 (モニタリングを含む) |
||
---|---|---|---|---|
年商 | 有利子負債 | |||
小規模 | 1億円未満 | かつ | 1億円未満 | 100万円以下 |
中規模 | 10億円未満 | かつ | 10億円未満 | 200万円以下 |
中堅規模 | 10億円以上 | または | 10億円以上 | 300万円以下 |
※費用総額は、「経営改善計画策定支援費用」と「モニタリング費用」の2つの作業に係る費用を合計したものです。
費用総額のうち「モニタリング費用」は、費用総額の半分以下にする必要があります。
費用総額の目安を超える場合は、山口県センターから全国本部に確認するため、受理処理の日数が長くなります。
山口県信用保証協会の補助事業について
山口県信用保証協会の協会保証を利用している事業者は、一定の条件を満たせば補助金が支給されます。
当センターに利用申請したのちに、山口県信用保証協会各支店に補助金受給の申請をする必要があります。
詳しくは、山口県信用保証協会のホームページを参照願います。
山口市役所の補助事業について
山口市に所在する事業者は、「経営改善計画」を策定した際に山口市から補助金を受けることができます。
詳しくは下記に問い合わせ願います。
山口市役所 経済産業部
商工振興課 地場産業振興担当
TEL083-934-2812
(山口県経営改善支援センター専用番号)
金融支援の内容
センター事業で想定する金融支援の内容
センター事業では、取引金融機関からの金融支援に関し、主に以下の内容を想定しています。
金融支援の内容 | 具体的な手法の例 | |
---|---|---|
条件変更等 | ◎ | 金利の減免・利息の支払い猶予・元金の支払い猶予 |
× | DDS・債権放棄 | |
融資行為 | 借換融資 | 同額借換(事実上の借入期間の延長を含む)・債務の一本化 |
新規融資 | 新規での貸付実行 |
- 「中小企業金融円滑化法」施行時に条件変更が行われ、現在も同一の融資条件が継続している場合も該当します。
- 融資行為による金融支援は、当該金融機関が発出する「金融支援に係る確認書」が必要になります。
- 「DDS」・「債権放棄」あるいは「第二会社方式(会社分割)」など、金融機関に大きな負担が生じるスキームも申請できますが、このようなスキームはタックスマネジメントが成否を左右する可能性が高いため、通常「山口県中小企業再生支援協議会」の再生事業で取扱うべきスキームと考えます。
事業者側から金融支援を依頼する場合の留意点
メインバンクなどから顧問税理士などの外部専門家に依頼して、金融支援(リスケなど)を実行するためセンター事業を活用する場合は、問題が生じることは余りありません。他の金融機関へのアプローチもメインバンクが行っている筈です。
しかしながら、事業者・外部専門家から金融支援を依頼する場合は、金融機関の意向を良く把握する必要があります。
現在、リスケジュールが多少認められるようになりましたが、「中小企業金融円滑化法」が施行される7~8年前まではリスケジュールを事業者側から申し出ることは、社運をかけるほど緊張感のあるものでした。
リスケを実行すると、新たに融資を受けることが難しくなります。現状の借入の返済が厳しくなっている先に、新たに負担をかけることは通常あり得ません。
経済合理性から見ても、融資を実行してその資金を回収することで金融機関の事業が成り立っている訳ですから、回収を延期する・金利を減免する行為は金融機関の経営に少なからず影響を及ぼします。
本来、金融機関がリスケジュールに応じるのは、応じる方が応じないことよりも結果的に自行にとって有利と判断した場合のみです。
その判断材料として、「経営改善計画書」を策定して全金融機関に得心してもらう必要があります。
”カイゼン”に取組み、”キャッシュ”を産み出し返済財源の見通しを明確に提示しなければなりません。
安易な申し出は、自社にとってマイナスでしかありません。
経営者の覚悟が試されます。
事業の位置付け
センター事業の位置付け
本事業が考えるスキームは『私的整理』の範疇に入ります。
私的整理 | 法的整理 | ||
---|---|---|---|
整理対象 | 金融機関からの融資 | 金融機関からの融資・取引先の掛代金・未払金 | |
関与機関 | 中小企業再生支援協議会 | 裁判所 | |
採決条件 | 全員の同意 | 多数決 | |
根拠法 | 産業競争力強化法 | 事業継続 | 会社更生法・民事再生法 |
事業停止 | 破産法・会社法(特別清算) |
『整理』とは、会社を処分するという意味ではなく、会社が抱える負債(借入金・買掛金・未払金)を関係者を交えて整理するということです。
『法的整理』は、JALの再生で注目された「会社更生法」のように、事業存続のために経営陣の退任・銀行の債権カット・従業員のリストラなど外科的処置を施します。
『私的整理』は、企業が抱える債務(借入金)のみを対象として取引金融機関を交えて、全員協力のもと今後の返済スケジュールを決めるスキームです。
私的整理は、法的な制約がなく関係者全員の自主的な支援が必要であり、その為スキームの決定には全員の同意が必須条件となります。
センター事業に於いても、この『私的整理』の考え方がベースとなるため、同様に関係金融機関全ての同意が求められます。
私的整理は、「事業の存続」・「従業員の雇用確保」が最も重要な目的です。